Chillagoe (チラゴー)
ケアンズから内陸へ200km。 1泊2日の乾燥した大地へのショートトリップ。
まずはコーヒーの農園が多いことで知られるマリーバで休憩。コーヒーワークスで朝食とコーヒーを楽しんで、その後はひたすら走るのみ。
風景はマンゴーの畑、さとうきび畑、コーヒー農園が最初の方は左右に広がっていてなんとものどかな農園の景色を楽しみながら、潤ったみずみずしい風景の中を走っていた。
マリーバを出て30分ちょいすると、景色の様子がガラっと変わってくる。
道路脇に生える草や木々の種類もケアンズではあまり馴染みのない乾燥した感じのモノになる。
小さなアリ塚がそこらじゅうにあって、土の色は少しずつ茶色から赤色っぽい感じになり、ただただまっすぐの道を走り続ける。
マリーバを出て、ひとつめの主な街〝Dimbulah(ディンブラー)〟に続き、〝Petford(ペットフォード)〟、〝Almaden(アルマデン)〟など、数十kmごとに本当に小さな村があるけれど、農家の人たちの集落だけのために存在しているような小さな村で、ガソリン補給ができる建物とジェネラルストアが一軒だけあるような、そんな小さな町を通り過ぎていく。
途中からカンガルーが車などにひかれているのをよく見るようになったと思ったら、道路には上の左のようなロードサインが現れる。これにはぼくちんびっくり。自動車と同じくらいの大きさの牛さんが自動車にぶつかってきている図…ゾッ…。ま、わかりやすく説明してくれてるのはわかるけれど、極端すぎるぞ、この標識。
と、思ってキョロキョロしながら道路脇の森から飛び出してくるであろうカンガルーをひかないように注意しながら集中して走っていると・・・
牛ッ!! ぐだいまいっ♪
このあたりは時速100kmなんだけれど、遠くの方から見えたからゆっくり減速して寄っていくと、牛さんも減速してくれて、しまいには道路上で停止してくれた。その時にパシャリ。
放牧なのね、このあたりは。これ以降、たっくさんの数えきれない牛さんたちを目撃することに。
この子は第一放牧牛さんでした。気を付けておウチに帰りなさい。
そしてドライブは続く。
人よりも牛の数が多い、そして牛の数よりもアリ塚の数の方が多いと思われるPetfordの村にある電車の駅。これは歴史を感じさせる、趣のある駅舎ではないか~。オーストラリアのアウトバックにきたって、この時感じたネ。
土の色を見てもらえるとわかるけれど、もう極度乾燥地帯。 空気はカラっとしていてなびく風も温かく、ケアンズから数時間走っただけとは思えないほどの、この気候の差に驚き。
途中誰が描いたかわからないが、大きな岩にカエルのペインティングをしているのを発見。
一瞬、疲れが吹き飛ぶ。
チラゴー村に近づくにつれ、道路のコンディションは悪くなる。通常は舗装されているアスファルトを走るが、最後の20kmは未舗装の砂利道や、砂の道を走ることに。
ハンドリングも集中だし、動物飛び出しにも注意だし、なんだかこんな機会もなかなかないので、オーストラリアに暮らしているからこその体験なので、楽しくって楽しくって。
そしてそして、のんびり走った&マリーバでご飯を食べたということもありケアンズを出て3時間半後にようやく目的地チラゴーに無事到着。
ふぅーーーっと一息。本当に小さな村。なーんにもない。ガソリンスタンド1軒、コンビニ2軒。
予約していたアコモデーションにまずはチェックイン。〝Chillagoe Tourist Village〟というところ。
目印は目の前にある華やかなお花の木。
他にあんまりオプションもなかったんだけど、後から振り返るとココが最も良さそうな施設。一泊$90なら全然悪くないような部屋。トイレもシャワーも、ダブルベッド&オマケベッド、冷蔵庫、TV、ケトルなどついていてこの値段ならイイんじゃないかと思うナ。
部屋でちょっと休息し、村の様子を散策しにいってきた。
チラゴーに訪れた人がメインイベントとして楽しみにしている〝鍾乳洞探検〟は明日にして今日はとりあえずのんびりモード。
村の中心部にある〝HUB〟と呼ばれるインフォメーションセンターにてチラゴーの歴史を勉強。
ここのJimというおじさんがとっても丁寧な人で、とっても熱意を持っていて熱くチラゴーの紹介をしてくれた。遊びに行った人は必ずココの〝HUB〟に立ち寄って情報を聞いてみて欲しい。
翌日参加することになる鍾乳洞の散策ツアーは、ココでブッキングが可能。
チラゴー村の入り口にある比較的新しいと思われる恐竜の銅像。ネッシーみたい。
何かは不明。全然恐竜関係ないんちゃうかな。この場所で化石なんかとれてるのかな。はてな。
こちらも村の中心部、フツーの民家の窓に書かれている文字がおもしろかったのでパシャリ。
〝文化 Tea House〟とはいったい?さすがに立ち寄る勇気はなかったなり。
マップに載っていたチラゴー空港。気になる気になる~。
観に行ってみると、こんな感じの小さなセスナが二機とまっている。敷地はそれなりのスペースがあった空港だけど、ガランとしていて人気はなし。
どうやら二週間に一度のペースでこの村を訪れる〝Flying Doctor〟(空飛ぶお医者さん)のための施設だとか。急患などがあった場合は駆けつけてくれるらしい。太陽が沈んだ後はハイウェイを走るのは危険なので、夜になって急患が発生した場合は飛行機なのね。
もひとつ驚いたのはチラゴーを越えて走り続けると見える標識。ここから先560km、ガソリンスタンドはありませーん&雨季は通行できなくなるカモよ、という道路標識。
とてつもない場所にきていることを実感。
このあたりは地盤が特殊で、隆起している岩山も数多くみられる。これ実は〝Marble(大理石)〟なのね。とっても高級な素材じゃないでございますか。このあたりの産業のひとつらしく、イタリアに直輸出され、その後イタリア人が〝高級大理石〟としてまた違う国などに販売するらしい。
特殊な岩肌があまりケアンズでは見慣れないので、異様な景色に思えてくる。
ちなみにロックワラビーに餌付けができるマリーば近郊のGranite Gorge(グラナイト渓谷)はよく似た岩肌が広がるけれど、あちらはその名の通り〝Granite(花崗岩)〟、日本だとお墓の墓石などに利用される高級な岩、御影石なのね。見た目は一緒のように見えるのに全然違うんだね。
チラゴーでもっとも有名な岩、なんともイイバランスをしているこの岩。
その名も〝バランシング・ロック〟。そのまんまやーん、と一応ツッコミも入れておきました。
自然が造りだす造形美、不思議だね。ちなみにボクの3~4倍くらいの大きさデス。どう頑張って押してみても倒れません。倒した人はいないそうなので、行った人は是非押してみてチョ。
そして、チラゴーの風景写真の代名詞にもなっているココ。
まるでタイムスリップしたかのような錯覚に陥る。何にも似つかない独特の風景と雰囲気を持ったこの場所。
Smelter(スメルター)と呼ばれる、かつて1943年に閉山するまでは多くの労働者が働いていた金属の溶鉱炉跡。
迫力ある風景に思わず息をのむ。 そして大勢の人たちが汗を流していた昔の様子に思いを巡らせる。1901年に鉱山として開けたこのチラゴー、金、銀、銅に鉄鉱石など、天然の資源は当時チラゴーの産業を急速に発展させた。
直径2kmほどの小さな村に、最大で1万人の労働者が滞在したと言う。今現在の村の総人口は約230人。
いろんな動物。街を散策中、ふと視線を感じたので林の方を見てみるとカンガルーがこっちを見ていた。真ん中の奇妙な鳥は実にキモチわるかった。結構大きいし大量に居るし、攻撃的で仲間同士で突き合ってるし。電線の上で休んでいるカワイイ色をした鳥さん。
夕暮前ののんびりタイム、部屋の前のバルコニーみたいなところに出て風を感じながら優雅タイムをエンジョイしていた。本当に鳥の鳴き声と風の音以外、なんにも聞こえないのんびりした雰囲気の村。
そしたらなんだか夕焼けがキレイに見えそうな気がしたので、再びクルマに乗り込み未舗装の砂道を走り、そこらへんにある高台へ駆ける。
なーーーんにもない草原に沈みゆく夕日、キモチよかったな。オーストラリアはすごいよ~、本当に広い。
真っ赤に焼けた夕焼け。急いで高台にいってよかった。夕日が沈んで夜になると野生動物は活動し出すんだろな。きっと近くでたくさんのカンガルーかエミューが同じ太陽を見て、お出かけする会議でもしてるんやろな。
その夜、寝る前に街のはずれにある空き地にいってみた。
もちろん街灯もないし、信号もないし、あたりは真っ暗…ということは、星がキレイに違いない。
写真ではうまく伝わらないけれど、天の河が見事に見えて、プラネタリウムに来ているみたいに本当にたっくさんの星で埋め尽くされていた。
なんかね、空を見上げているというよりも、宇宙に向かって落ちて行っているような感覚になった。
翌日、チラゴーの朝は肌寒かった。半袖では無理だった。
この日はお待ちかね鍾乳洞探索の日。チラゴーのこのあたりには600~1000ほど洞窟があると言われている。その中でも石灰岩(Limestone)によって自然に形作られた鍾乳洞をいくつか見学することができる。
危険も伴うため、現地のレンジャーと同伴でないと入れない場合が多い。
中でも有名な3か所の洞窟を朝からまわってきた。数年間スケジュールが変わっていないらしいので、ザラっと紹介すると、、、
午前9時 : Donna Cave(ドンナ洞窟) およそ1時間。
午前11時 : Trezkinn Cave(トレズキン洞窟) およそ45分。
午後1時半 : Royal Arch Cave(ロイヤルアーチ洞窟) およそ1時間半。
それぞれ洞窟の入り口に現地集合で、レンジャーが人数確認をしてからみんなでトコトコ入っていく。
このツアーは飛び入り参加はできず、事前に街の〝HUB〟にてチケットを購入する必要がある。
どの鍾乳洞もそれぞれ雰囲気が全然違って、全てオススメ。
洞窟の中は乾燥して35℃を超える地上とは違い、20℃~22℃という実に涼しい気温。
最後に参加した〝Royal Arch Cave〟だけは、懐中電灯を手渡されるのでそれで足元を照らしながらガイドと一緒に進んでいくというアドベンチャー。その他の2つの洞窟はありがたいことに足元もレンジャーの人が通路を作ってくれ、ライトも必要最小限つけてくれているので、実にまわりやすかった。
それでも階段を上り下りしたり、急こう配があったり、しゃがまないと通れないような通路があったりして、本当にインディージョーンズさながらの冒険気分を味わえる。
印象的だったのは、Donna Caveにあるこのような岩。(下の写真。)
マドンナの横顔に見えるという、奇跡的な形。なんとも美しいではないか。
午後3時過ぎに鍾乳洞のツアーを終え、一路ケアンズへ。
この道中常に赤茶けた道路を走っていたのでクルマは砂まみれ。車内にまでその土は入って来ていたので、相当乾燥した大地を走ったってことだね。車が〝WASH ME〟と言っている感じ。
日帰りでも行けない場所ではないけれど、やはり少しのんびりしていくのがイイかも。わずかケアンズから200km離れただけで、こんなにも様相が違う自然を楽しめるなんて、やっぱりオーストラリアって国はすごい。
チラゴーに行ったことのある日本人があまり周りにはいなかったけれど、もし誰かがこの場所に行きたいって言ったなら、是非オススメする。どデカイ感動こそないけれど、なかなか全ての人が一般的な人生で眺めることのできない風景に出会うことができるし、貴重な体験をできるから、ボクはオススメをしたいと思うナ。
以上。
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母 (日曜日, 07 10月 2012 09:14)
写真素晴らしいですね。又新しい発見が出来てよかったですね。
本当に広くて・・・でっかいですね・
cairnslife (日曜日, 07 10月 2012 17:09)
>母。
写真が素晴らしいのではなく、景色が素晴らしいからだと思うよ。いろんな景色を見るってのはイイね。寒いところはキライだけど。これからもいっぱいいろんなところ旅します。来年は再びアジア進出。現地集合でもイイよ♪